ドラフトでアソボ

石井一、若田部、斎藤隆、田口など
★ドラフト4位まで入札制、ドラフト5位以降はウエーバー制。抽選に外れた球団は奇数指名順位はウエーバー方式、偶数指名順位は折り返しウエーバー方式で希望選手を指名

　　　　　　　阪神　　　　　　　　　　　　　ロッテ　　　　
１　萩原　 誠（大阪桐蔭）三　　吉田篤史（ヤ　マ ハ）投　　
２　萩原　 淳（東海甲府）遊　　河本育之（新日鉄光）投　　
２　久慈照嘉（日本石油）遊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
３　弓長起浩（熊　 谷組）投　　丹波健二（東　　芝）一　　
４　三井浩二（足寄高校）投　　花島寛己（習志野高）投
４　桧山進次郎（東洋大）二　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
５　中川申也（秋経法付）投　　樋口一紀（住友金属）遊
６　工藤慎明（筑陽学園）投　　服部文夫（九州三菱）投
７　木立章成（専大北上）内　　市場孝之（団練習生）内
８　中村公信（田村ｺﾋﾟ-）投　　小林　 至（東京大学）投

　　　　　　　大洋　　　　　　　　　　　　　ダイエー
１　斎藤　 隆（東北福大）投　　若田部健一（駒沢大）投
２　永池恭男（福工大付）遊　　作山和英（東北福大）投
３　有働克也（大阪経大）投　　浜名千広（東北福大）遊
４　斎藤　 肇（静岡星陵）投　　三井浩二（足寄高校）投
５　石本　 豊（藤代柴水）外　　山口信二（新日君津）投
６　三浦大輔（高田商高）投　　本田明浩（新日大分）捕
７　山根善伸（新日鉄名）捕　　林　 孝哉（箕島高校）内
８　川北和典（元ﾌﾟﾘﾝｽH）内　　市原　 圭（上宮高校）外
９　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　久保孝之（上宮高校）内
10　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　田畑一也（元北陸銀）投

　　　　　　　巨人　　　　　　　　　　　　　日本ハム　　　　
１　若田部健一（駒沢大）投　　田口　 壮（関西学大）遊
１　谷口功一（天理高校）投　　上田佳範（松商学園）投
２　小原沢重頼（城西大）投　　片岡篤史（同志社大）三
３　松岡正樹（平安高校）捕　　徳田吉成（東洋大学）捕
４　伊藤博康（東北福大）外　　花島寛己（習志野高）投
４　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　島崎　 毅（NTT北海）投
５　三好正晴（川口工高）投　　仲光秀記（別府大付）内
６　羽根川竜（東北高校）投　　根本隆輝（小松島西）内
７　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　金子貴博（船橋法典）投
８　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　高野慎哉（原町高出）捕

　　　　　　ヤクルト　　　　　　　　　　　オリックス　　
１　石井一久（学館浦安）投　　田口　 壮（関西学大）遊　　
２　西岡　 洋（大阪ガス）投　　萩原　 淳（東海甲府）遊
３　増田政行（国士舘大）投　　本東　 洋（三菱重長）投
４　津川　 力（明徳義塾）内　　鈴木一朗（愛工名電）投
５　高梨利洋（札幌第一）外　　北川　 晋（浪速高校）投
６　鮫島秀旗（日生第二）捕　　西　 芳弘（寺井高校）外
７　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　山本大貴（元阿部企）投

　　　　　　　中日　　　　　　　　　　　　　　近鉄
１　若田部健一（駒沢大）投　　高村　 祐（法政大学）投
１　落合英二（日本大学）投　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
２　佐々木健一（徳島商）投　　江坂政明（神戸製鋼）投
３　浜名千広（東北福大）遊　　松岡正樹（平安高校）捕
３　若林隆信（佐賀学園）内　　品田操士（花咲徳栄）投
４　若林弘泰（日立製作）投　　中村紀洋（渋谷高校）三
５　井手元健一朗（四工）投　　背尾伊洋（大阪桐蔭）投
６　佐野　 心（いすゞ　自）外　　森山一人（邇摩高校）内
７　永川満寿（西淀川高）内　　上山　 勲（北嵯峨高）内

　　　　　　　広島　　　　　　　　　　　　　　西武　　
１　若田部健一（駒沢大）投　　若田部健一（駒沢大）投
１　町田公二郎（専修大）外　　竹下　 潤（駒沢大学）投
２　徳本政敬（木本高校）内　　徳本政敬（木本高校）内
２　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　新谷　 博（日本生命）投
３　佐藤貞治（鎮西高校）投　　熊沢当緒琉（所沢商）外
４　斎藤　 肇（静岡星陵）投　　松田和哉（長崎南山）投
４　金本知憲（東北福大）外　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
５　杉田　 勇（富士学苑）捕　　神野信也（新居浜商）投
６　伊藤　 真（八千国大）投　　千原淳弘（日高中津）投
７　小畑幸司（所沢商高）捕　　渡辺孝男（札幌篠路）捕
８　大石昌義（鳴尾高出）投　　日月鉄二（団練習生）外
９　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　蒲谷和茂（団練習生）投

★これまで1球団6人以内であった最大指名人数が10人に拡大され、その代わりに新人選手は全てドラフト会議を通すこととなり、ドラフト外入団の道が事実上なくなった。結局10人指名したのはダイエーだけでした。また、アマチュアとの関係改善に向けて、プロ入り拒否を表明している選手は指名しないという申し合わせが適用された。

目玉は、東都のエース・若田部でした。奪三振も凄いが制球力も抜群とあって人気に。本人はセ・リーグを希望していたが、４球団（巨人、広島、西武、ダイエー）が入札。引き当てたのはダイエーで「拒否か？」と思われた会見で「ダイエーに行きます」とすっぱり表明。顔もそうでしたが、森田健作のようでした＾＾

もう一人の大物は斎藤でした。大型で大学２年から投手へ転向した変り種ですが、その将来性の高さに大洋と中日が競合しました。メジャーで投げるとはまさに未完の大器が開花！

斎藤を外した中日は若田部のライバルで１５０キロ右腕のの落合を外れ１位で指名。指名された夜２人でニュース番組に嬉しそうに出演していました。３年生時までは入札候補でしたが、４年生の時の投球で「バキッ」と音がしたということで、右ヒジを骨折してしまい選手生命の危機に立ってしまったが、根性で回復し大学最終戦に１３０キロの球でしたが復調をアピールした。中日は回復すると見て指名を行なった。プロ入り後も手術の連続でしたが、セットアッパーとして大成しました。

野手は、大型遊撃手の田口でした。野手の目玉が少なかったところからも人気が出ました。結局、オリックスと日本ハムの２球団が入札しオリックスへ。そして開幕一軍を勝ち取りましたが、イップスで送球に難があり、エラーを連発しストレスから突発性難聴にもなるなど苦労しましましたが、強肩を生かして外野手にコンバートして一気にスターダムに。

高校生投手の目玉は左腕から唸りをあげる剛速球投手・石井です。ただし、石井はコントロールが悪く各球団の評価が割れていましたが、当時の野村監督が「ノーコンは治せる」と判断し単独指名に成功した。大正解でした。

他の1位入札は、萩原、吉田、高村でした。萩原は高校通算58本塁打を引っ提げて大阪出身ということもあり物凄い期待を背負っての入団も思うような成績を上げることなく引退となった。ちなみにボーイズリーグでキャプテンとして全国優勝していますが、巨人1位指名の谷口も副キャプテンだった。谷口は高2の時甲子園で全国制覇した大型の投手として期待されたが、ケガに悩まされこちらも活躍できないまま引退。

吉田は、日本文理高校卒業後ヤマハに入社し都市対抗などで活躍し1位入札となった。個人的に高卒社会人3年目で候補に挙がる選手は注目しないといけないな、と感じた指名でした。

高村は、3年生で防御率1位を記録した速球派右腕でしたが、最終学年であまりアピールできず若田部や斎藤に人気をとられた感じ。しかし、当時の仰木監督がなぜ入札しないのか驚いたそうです。確かに単独指名は成功ですね。

東都大学リーグの長距離砲・町田は外れ1位ながら広島は誠意の球団最高額を用意して迎えた。少し驚いたのは竹下でした。実績は特別な感じはないですが西武の独自左腕評価で1位指名となりました。

上田は甲子園でヒットを打ちまくった大型右腕投手でした。上田の1位指名と聞いて投手での指名と思っていましたが野手でしたね。確かにバットを振れば強烈な打球を面白いように放っていましたので納得ですが、投手もありと思っていました。

2位以降では、片岡が2位で指名されています。あのPL学園で立浪、橋本、野村と同期です。高校時代も注目されましたが同大に進学し首位打者も取り指名されました。阪神のイメージが強いですが日本ハムはこの年上田、片岡と大型の左打者を指名していました。

オリックスでこの年忘れてはいけない選手がいますね。４位の鈴木です。以前にも書いた事がありますが愛知県大会の決勝？でライトスタンドへクニャっと回転したスイングで運んで行った愛工大名電のエースのバッティングが印象に残っています。中日も４位あたりで野手として指名予定だったそうですが、中日に入っていたら「世界のイチロー」にはなっていなかったかもしれません。少なくとも登録は「鈴木」でしたでしょうね。

この年のドラフト４位はイチロー以外にも球界を代表する選手が指名されています。まず一人目は、近鉄が指名した中村です。大阪渋谷高校で、同郷の萩原誠とともに関西を代表するスラッガーで府立ながら４番で三塁手兼投手で甲子園出場も果たした長距離砲は評価が高かったが意外に低い評価でした。

もう一人は、広島の外れ４位の金本でした。大学選手権の常連チームで主力として活躍して評価が非常に高かったが低評価でした。ちなみに「アニキ」は、広陵高校から中央大のセレクションを受けたが不合格し、浪人生に。またその間にヤクルトのテストも受けていたが、これも不合格。知人の紹介から東北福祉大を一般受験した。

6位指名ですが大洋は三浦を指名。そう「ハマの番長」ですね。高校時代は春夏ともに谷口がいる天理に決勝で敗れたため甲子園には縁がありませんでした。

またロッテが東京大学の小林を8位指名しました。小柄な左腕でスピードもそれほど速くなかったですが指名されて驚きました。

またダイエーの４位三井は阪神と競合して指名権を獲得したが、３位以上でないとということで入団を拒否し社会人へ。２０００年に西武が指名をしました。

【1992年新人王】
　　セ・リーグ：久慈照嘉（阪神）新人
　　パ・リーグ：高村　 祐（近鉄）新人

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